『父さんが教える株とお金の教養』山崎将志|株の初心者が知っておきたい知識

今回紹介するのは金融についての書籍です。
近年、投資に興味を持つ人が増えているように感じます。
これまでは貯金がオーソドックスだったのが、お金に働いてもらうという考え方が一般化してきました。
私の周りでは、株式投資を始めた人や、株式投資について興味を持つ人がちらほらいます。
投資は知識がないまま闇雲に手を出すと結構怖いものですが、きちんと勉強すれば大凶を引く確率を減らすことができます。
そこで紹介したいのが『父さんが教える株とお金の教養』という本です。
株とは何か全く知らない人でも、体系的な知識を身につけることができます。
とても丁寧な解説で、初心者におすすめの本です。
本書の構成
『父さんが教える株とお金の教養』は、著者である山崎将志氏が、当時中高生だったお子さんに向けて行った、株式投資の基本についての勉強会が元になって作られた書籍です。
1回1時間、計7回にわたって行われたという勉強会。
本書ではその内容をもとに、「父さん」「竹二」「梅三」の対談形式で話が進められており、
(「マツ」というワンちゃんも登場します!)
・株価とは何か
・株価情報の見方
・投資先の見極め方
・投資をする上で知っておきたい教養知識
・投資の失敗例
・実践のステップ
などを知ることができます。
印象的だった「父さん」の教え
株を知ることは就職先選びに役立つ
投資をするためには、その会社がどのようなことをしていて、どのような展開が望めるか、お金の流れがどうなっているかなどを知る必要があります。
本書で著者は、就職先の選び方は、成長期待が大きいかどうかと述べています。
就活の時期に、求人情報を漁るよりも、もっと早い段階から株式市場を見ることで、良い就職先の見極めに良いという考え方は目から鱗でした。
株式市場を見れている就活生ってなかなかいないと思います。
ケチでないと投資で勝てない
投資家って、ケチなほうが良いらしいです。
本書ではiphoneで有名なAppleを例に解説されています。
著者にとって、Appleは株を買う会社であって製品を買う会社ではないとか。
もちろんApple製品は使い勝手やデザインなどで高い評価を受けていますが、Apple製品でなくてもそれぞれの用途に見合った製品というのはあります。
低価格のアンドロイドのスマホを選ぶ人もたくさんいますよね。
著者も、Apple製品の性能の良さにはそこまで興味がないようです。
ただし、利益率などは価値を感じるので株を購入するとのこと。
自分の目的に合っていて、得られる結果が同じなのであれば、支払いがより少ない方を選ぶのが、賢い消費者であり、投資家である、という教えでした。
必修化された資産形成についての授業
最近では、学校で投資についても学ぶようですね。
金融教育の一環で、資産形成についての授業が必修化されたようです。
ただ、教えるのは家庭科の先生だとか・・・。
お金の運用って、付け焼き刃の知識だと心許ないので、専門家に教えてもらいたいですがなかなか難しいのかもしれませんね。
本書は社会人にはもちろん、中高生で授業よりもっと深く学びたいという人にもおすすめです。
本書の序文にも書かれていたのですが、投資に必要な知的レベルは中高生であれば不足ないとのこと。
投資を実践せずとも、早いうちから知識を持っているだけで、人生においても有利になることは多々あるでしょう。
私は、特別株に詳しいわけではなかったので、本書で知識を得られてとても"ため"になったと感じています。
経済のこともそうですし、有名企業がどんな会社なのか、どんな構図なのかも勉強できました。
株は普通の人がお金持ちになる近道
著者が本書の序文に「投資は普通の人がお金持ちになるいちばんの近道だ」とあります。
これまで株というと、ずっと画面に張り付いてギャンブルのように上げ下げがあるというイメージがありました。
しかし、株の知識を勉強すること、経済や社会を知ることで、普通の人でも豊かに暮らすための手段として株式投資を使うことができる、ということを学べました。
スポーツ選手のような才能や、起業して大きな事業を動かす才能がなくても、お金持ちにはなれる。
実践できなくても、知識があるだけで社会の見え方が変わるので、ぜひみなさんにも知って欲しいです。
気になった方はぜひ。