【映画】『関心領域』感想|あなたの関心はいかに
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| 箱庭的関心領域 |
久しぶりに映画の感想記事&イラストを書きました。
今回鑑賞したのは『関心領域』です。
以前、映画館に行った際、フライヤーが印象的で手に取った作品なのですが、映画館で見ずに上映終了してしまいました。
つい最近、Amazonプライムビデオで見つけたので、早速鑑賞しました。
作品の上映時間は1時間44分。
そこまで長いわけではないのですが、見終えた後の後味の悪さがズーンときて、重い作品だなと思いました。
この記事では、超個人的感想と見解を示していますが、製作陣が実際にどのような意図を持って作成しているかは、調べてないので分かりません。
また、ネタバレを含む内容となっていますので、その点ご承知おきくださいませ。
音で感じ取る残酷さ
本作の1番の特徴は、音だと思います。
画面上ではのどかな場所で穏やかな時間が流れているのに、耳からは悲惨な情景が入ってくる。
時々、真っ黒な画面や真っ白な画面が出てきたと思えば、音響だけでここがどんな場所なのかを思い出させるかのように、我々鑑賞者を負の感情に引き戻す。
音だけで塀の中と外の違いを、まざまざと見せつけられるのが、面白い点だと思いました。
吹き替えではなく字幕版を
本作の特徴が音であるだけに、吹き替えではなく字幕版で見るべき作品だと思います。
先述した通り、耳から入ってくる情報が重要で、まっさらな音声で聴くべきだと思ったからです。
アマプラで見ていた際、字幕の設定がうまくできず、始めの数分間は吹き替えで見ていました。
もちろん吹き替えの声優さんの演技も素晴らしいとは思うのですが、見ている映像と言語が一致しないことに違和感が強くて、なんとしてでも字幕版でないと!となり・・・。
普段見ているような映画だったら、吹き替えでそのまま見ていたかもしれません。
しかし『関心領域』は、演技っぽさがちょっと邪魔になるような作品なのです。
というのも、この作品での俳優の演技は、とことんリアルを追求したような感じ。
まるでドキュメンタリーを見ているようでした。
話し方も、普段私たちがリアルにしているようなトーンで、過剰な抑揚や演出もなく。
吹き替えが入ることによって、俳優がそのまま出した”素”っぽいものではなくなってしまうのが、個人的に邪魔に感じてしまいました。
箱庭を見ているような映画
画面の作りも特徴的でした。
まずは、塀の向こう側の様子が一切画面に描かれていないところ。
映像として見えるのはこちら側の世界のみでした。
一番面白いなと思ったのは、全てのシーンで俯瞰している印象があったこと。
それぞれの俳優にズームでフォーカスするシーンはほとんどなく、カメラの位置が俳優とかなり距離がある撮影方法だったのかなと感じました。
それにより、我々鑑賞者がずっと俯瞰してそれぞれの場面を観察しているような気がして、まるで箱庭の中の世界を見ているようでした。
演技はリアルで、ドキュメンタリーのような雰囲気のある作品なのですが、撮影のセットは作り物っぽい感じがするのも、箱庭を感じさせる要因かもしれません。
関心領域とは
『関心領域』は邦題ではありますが、結構考えさせられるタイトルだと思います。
作品の中で結構印象に残るであろう人物が、奥さん(ヘートヴィヒ・ヘス)ですが、この人の関心領域はまさに、自分の暮らしている家なんですよね。
自分が良いと思う環境で、理想の子育てをしたい。
塀の向こうで何が行われていて、その様子を子供達が聞いているのなんてお構いなしで、自分が良いと思うならそれがベストという考え方なのかな、と思いました。
実際に自分の思い通りにいかない状況になりそうになると、癇癪を起こしていましたし、使用人のことなんて、ちっとも気を遣わない人でした。
奥さんの母親は、それに対してあまり良いとは思わなかったみたいです。
奥さんの家に泊まりにきた奥さんの母親は、塀の向こう側から聞こえる声や音、上空に見える煙の様子などを気にしていました。
結局奥さんに何も言わずに家を出てしまいましたが、これは親子でも関心領域が違うということなのかな・・・、と。
作品の最後の方で、現代のシーンが出てくるのは、私たちに”あなたの関心領域は?”と問いかけられているような気もします。
本作を見てみた、あなたの関心領域はどうでしたか?
原作小説もあります
『関心領域』には原作があります。
作者は、マーティン・エイミスというイギリスを代表する作家です。
原作と映画では、内容がかなり違うのだとか。
ただ、両方見た方の口コミなどを調べてみると、何度も見返すのには向かないくらい、どちらも苦しさを感じる内容のようです。
原作が気になりつつも、すぐには手を出せないかも・・・。
気になる原作はこちらから。
そもそも話の題材がアウシュビッツ強制収容所なので、時代背景などある程度の前提知識があった方が良いかと。
原作を読んで勉強するもよし、経験者の回顧録や日記、関連映画で勉強するもよしです。
以上、映画『関心領域』の感想でした。
気になった方はぜひ。


