『謎屋珈琲店 21番目の挑戦』峰月響介 著 感想|ミステリー好きがカフェ経営を勉強するならこの本を

 本屋さんでパケ買いしてしまったこの本の感想文です。

『謎屋珈琲店 21番目の挑戦』



ちなみに装画は、斎賀時人氏。

私の大好きなイラストレーターさんなのです。

そりゃあパケ買いしますよね。

カフェ経営者目線を知れる

本書に出てくる「謎屋珈琲店」はなんと実在するカフェだそうで。

私は、本を読み始める前に奥付をチェックする癖があります。

奥付のすぐ隣に著者紹介があるので、ふとそちらを読むと、峰月響介氏が「謎屋珈琲店」を創業とあるではないですか。

これは実在するお店を舞台にしたお話か〜と思いながら、本書を読み始めると、主人公も著者と同じ名前。

これってどこまでリアルでどこからフィクションなんだろう・・・となります。

読み進めると、経営や従業員のマネジメントについて、結構私たちにとっても身近な話が出てくるではありませんか。

身内にカフェ経営をしている人間がいるので、あるある〜と思いながら読んでいました。

カフェアルバイトに限らず、社会人をやっていればブチ当る人間関係の悩みなんかもうまく言語化されていたなと思います。

読了後に実在の「謎屋珈琲店」のHPを調べてみると、装画と同じ感じのお店の様子がわかります。

作中に出てくるメニューなどもあって、実際に訪れてみたくなりました。

HPの作り自体、少し古い感じがするのですが、これは本作の主人公がネットに疎いのと同じく著者もなのかなぁなんて思ったりして余計興味が湧いて。

これってもしかして宣伝小説?笑

人は鏡とよく言うが

近年社会的によく話題に上がる事柄がたくさん盛り込まれた本書。

バイトテロや暴露系インフルエンサー、マルチ勧誘、気質特性、夜の世界などなど。

作中の「謎屋珈琲店」に集う人々は、かなりクセがあるというか、なかなかやばい人たちばかりでした。

たくさんの要素が詰まったお話で、読み応えはあるのですが、人は鏡とよく言いますし。

ちょっと主人公の人を見る目を疑ってしまいたくなります・・・。笑

主人公には友人・樫原がいて良かったよ!いなかったら大変だったよ!としみじみ思います。

とはいえこれは小説だから、それが面白くなる要素として働いているのですよね。

リアルとフィクションが良い具合にわからない本作。

実際のお店では、こんな変な人いないといいなぁなんて思いながら、登場人物を楽しんで読みました。

21番目という数字

タイトルに数字があると、どんな意味で付けられているのかがすごく気になります。

本作では、『21番目の挑戦』と言うタイトルがとても印象的です。

作中に出てくるカフェのシステムとして、お客さんが謎を1〜20まで解くと名探偵証明書が貰える、というものがあります。

読者は本作を読みながら、当店で出される21番目の謎解きを楽しむということなのかな?

モヤモヤが残るのは次回作のため?

登場人物の深掘りが足りなかったり、ふわっとしていたりする部分が少しだけありました。

学生バイトさんの話とかも見てみたいし、ちらっとしか言及されていないところもあるし・・・。

本作が著者のデビュー作らしいので、すでに次回作も書く予定があるのかな〜なんて感じる終わり方でした。

お話の感じは、シリーズものにできそうに思ったので、次回作があるとこのモヤモヤは晴れるのかなぁ、と。

似た感じのミステリといえば

本作は、どちらかといえば、謎解きを楽しむというより、人物や行動の背景を楽しむ作品だと思いました。

最近読んだ本でちょっと似ていると思ったのが、このサイトでも紹介した『緋色の残響』。


『緋色の残響』長岡弘樹著 感想|トリックではなく犯人を追い詰めていく過程を楽しむ短編 - 教養のある人になりたい私の読書感想文

『緋色の残響』長岡弘樹著 感想|トリックではなく犯人を追い詰めていく過程を楽しむ短編 - 教養のある人になりたい私の読書感想文

トリックよりは、行動や心情に面白さがフォーカスされている気がします。

あとは、こちらはサイトで紹介したことはないのですが、『本と鍵の季節』という作品です。



「古典部」シリーズで有名な米澤穂信氏による推理小説です。

日常の中で起こるミステリーという点で、空気感が似ていると思います。

以上、『謎屋珈琲店 21番目の挑戦』の感想でした。

ミステリー好きの人で、カフェ経営やマネジメントについて勉強したい人にはおすすめです。

気になった方はぜひ。


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