『優しい音楽』瀬尾まいこ著|不思議だけどスッと入ってくる短編集


 今回紹介するのは、瀬尾まいこ著『優しい音楽』です。


本屋さんでタイトルを見て購入しました。

登場人物や設定が一見突飛なように思えるのですが、読み進めるとなんだか身近な感じがする、不思議な本でした。

3つの短編が収録

本書には、

・『優しい音楽』

・『タイムラグ』

・『がらくた効果』

の3作品が収録されています。

『優しい音楽』

表題作でもある本作品。

突然駅で声をかけられ、交際に発展したカップルとその家族の話。

こんな出会いってあるのかなって思うような設定なのですが、"事実は小説よりも奇なり"と言いますし、実際にこんな状況があったらこんな感じかなと妄想が膨らむ話でした。

何より主人公のタケルがいい人すぎるので、スーッと入ってくる話でした。

『タイムラグ』

不倫相手の子供を預かるという話。

こちらも、まずシチュエーションどうなってんの!?って感じなのですが、修羅場系ではありません。

不倫してても性格は良い人ってことよね。

読了後にはほっこりする系でした。

『がらくた効果』

同棲している彼女が、突然おじさんを拾ってきた話。

なんでも拾ってくる人ってう設定は他作品でも結構ありますが、同棲中の彼女がホームレスのおじさんを拾ってくるって今まで見たことなかったです。

読み始める前は、有川浩著の『植物図鑑』みたいな感じ?とか思っていたのですが、全然違いました。

著者 : 有川浩
角川書店
発売日 : 2009-06-30

印象的だった話

私が特に印象に残ったのは『がらくた効果』でした。

仕事も家族も無くしてしまったホームレスのおじさんを、拾ってくるところから話が始まるのですが・・・。

このおじさんに品があるからか、読んでいて嫌悪感が一切ない。

一緒に生活することになるカップルも、なんというかさっぱりしているというか素直というか。

作中が年末年始の時期というのも面白くて、赤の他人同士が、家族の行事をこなしていくっていうのが、不思議と心地よい感じがしました。

年賀状にまつわる豆知識や、箱根駅伝の新しい捉え方みたいなものも見れて、何度でも読み返したくなる話でした。

3作の中だと、一番おすすめかも。

瀬尾まいこ氏の作品

今回紹介した『優しい音楽』は、以前このサイトでも紹介したことのある『その扉をたたく音』と同じ著者です。

『その扉をたたく音』瀬尾まいこ 感想|大人になるってなんだろう。 - 教養のある人になりたい私の読書感想文

『その扉をたたく音』瀬尾まいこ 感想|大人になるってなんだろう。 - 教養のある人になりたい私の読書感想文

前回紹介した時にも記述していますが、瀬尾まいこ氏の作品はとても読みやすく、物事を多面的にみるのが特徴的だと感じます。

登場人物それぞれに、いろんな顔があって背景があって。

それを嫌な感じではなく、スーッと心に入ってくる文章で綴られているような感じ。

設定が突飛なのに、全然読んでいて嫌な気持ちにならない。

とても不思議な感覚です。

短編集だから気軽に

本書は短編集ということで、1作1作はスルッと読めちゃいます。

通勤や休憩などの隙間時間に読むのがおすすめです。

あとは新幹線とかで一気に読むのもおすすめです。

この間久しぶりに新幹線に乗る機会があったのですが、私はこの本で時間を潰していました。

薄い本なので持ち歩きにもGOOD。

気になった方はぜひ。


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